動き回りたい!ADHDの衝動性を抑える方法とその対応について
2017/04/09
ADHDには、「不注意」、「多動性」、「衝動性」があります。
僕は混ざり合った混合型タイプで、診断でもほぼ全てのタイプに満点に近い数字が出ました。
それでも、大人になった今は衝動性に関してはかなり抑えられています。
不注意と多動性に比べて、衝動性は大人になっていくにつれて、症状が軽減されることが多いです。
今回はそんなADHDの衝動性について、どのような行動を取ってしまうのか、またその抑える方法などをご紹介します。
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大人のADHDの衝動性
一般的に、大人になるとADHDの衝動性は自然とかなり抑えられます。
僕自身、衝動性が酷かったのは小学4年生ほどまでで、高学年からは衝動性の問題行動はかなり軽減されました。
不注意や集中力がないことは大人になった今でもあまり改善されませんが、ADHDの症状の中で、衝動性はもっとも改善が見られやすい症状と言えるでしょう。
しかし、大人になっても衝動性が根本的に消えたわけではありません。
症状が軽減されたというだけで、やはり本人の中には抑えきれない衝動が潜んでいます。
仕事中の衝動性の問題行動
・給料を出たらそのまま使ってしまう(貯金は0)
・仕事中いろいろなアイデアが浮かんで、仕事自体には手が付かない
・会議中落ち着かずに集中できない
・満員電車に乗っていると体を動かしたくて、突発的に電車を降りてしまう(このせいで何度か遅刻しました)
・思いつきで同僚と遊びの約束をしたら、忘れてすっぽかす
・目に入った、頭に浮かんだ仕事から先にするので、優先順位がめちゃくちゃになる
このような衝動性の特徴がみられ、会議中に抑えがきかなくなって、歩き出すとまではいかないものの、社会生活の中でもやはり面倒になる面が多いです。
このため仕事が長続きしなかったり、上司から怒られてしまうことも多くなります。
ADHDの衝動性を抑える方法
大人になると衝動性はある程度なりを潜めますが、子供の時の衝動性はやっかいです。
僕も授業中歩き回ったり、テストの時間答えを声に出しながら解くなど、非常に問題児でした。
まだ僕が子供のころは、ADHDなどの発達障害には親も、また学校側も理解がなく、具体的な対策はとられませんでした。
しかし今はADHDの研究、治療が進んでおり、衝動性を起こす子供に対しての有効な衝動を抑える方法もいくつか確率されています。
動き出したくなったら、その前にサインを出す
授業中どうしても動き出したくなったら、手をグーパーするなどして先生に合図を出す方法です。
日本ではまだあまり取り入れられていませんが、この方法は衝動性を把握し、抑えることに役立ちます。
時間を決める
「あと20分で授業は終わるからね。そうしたら思い切り遊ぼう」「あと10分だよ、頑張れ」
というように、授業やじっとしていないといけない時間があとどのくらいなのかを、前もって教える方法です。
バツとご褒美をあげる
日本で最も衝動性を抑える方法として取り入れられているのが、トークンエコノミーという方法です。
これは、衝動性を抑えられずに動いてしまった時、それに対してのバツを与えます。
そして逆に、衝動を上手く抑えられじっとしていられたなら、ご褒美として具体的な物をあげます。
この方法は、ADHDが衝動性を発するメカニズムを元にしているやり方で、非常に効果的と言われている対処療法です。
ADHDの衝動性は、何かを見た時、感じた時に、いわば「条件反射的」にひき起こる物だとされています。
そのため、それを利用して、悪いことをしたらバツがあるので嫌だと感じる条件反射を引き起こすことで、自然と衝動性を抑えるようにするという方法です。
具体的には、抑えられなかったらトイレ掃除をさせる。おやつはなし。ゲームをしてはいけない。などのバツが有効です。
バツにしない方がいいのは、外で遊んだり友達と遊ぶことを制限することです。
ADHDは体力を発散させていたほうがいいので、体はたくさん遊ばせるようにしましょう。
ご褒美としては、好きなお菓子を買ってあげる。好きな場所へ連れて行ってあげるなど、子供が好きな物を選びましょう。
少し可哀そうな気もしますが、衝動性を抑えるにはかなり有効な方法です。
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自転車ペダルつきの机を利用する
これを見て驚きましたが、カナダのケベックの小学校で、授業中歩き回ってしまうADHDの子供に作られた、衝動性を抑えるための机です。
何と机の自転車ペダルが取り付けられ、走り回りたい!という欲求を上手く抑え込むのに非常に適した作りになっています。
これは世界中のADHDを抱える人たちから絶賛されており、「自分が子供の時にこの机があれば、もっと勉強に集中できたのに」という声が多く寄せられています。
僕も正直、この机は羨ましいです。
これがあれば、もっと普通に授業を受けれていたと思います。
開発されたと言っても、まだまだ日本でこのような奇抜な物を取り入れるのは先になるでしょう。
ただ、お家での勉強には有効だと思います。
衝動性への対応
衝動的な行動は、本人自信も抑えることはできません。子供ならなおさらです。
そのため、「ちゃんと座っていないとだめじゃないか」「なんで何度注意してもわからないんだ!」とお説教しても、無駄です。
それこそ何度も、何時間もお説教しても、そのお説教の側から立ち上がって暴れ出してしまうでしょう。
これは脳のメカニズムから起きていると考えられ、それを言葉でどうにかできるものではありません。
僕は衝動性への周囲の対応は、一昔前のアレルギーに似ていると思います。
少し前までは、アレルギーがあっても頑張れば食べれる。食べていけば耐性ができて健康になる。なんて思われていました。
しかし、最近ではアレルギーは耐性がつくものではなく、命の危険があるので絶対に食べさせてはいけないとされています。
これはみんなが理解していることで、食べれないアレルギーのことをお説教する先生なんていませんし、無理に食べさせようなんてしません。
今、ADHDはその前の段階にいると思うんです。
言っただけでは解決しないで、環境を整えてあげたり、その子独自のカリキュラムを組んであげる。
このような、学校の根本として基礎がもっと整備されればいいなと思っています。
上記のような衝動の抑え方などを参考に、「どうやったらこの行動を発散させてあげられるか?」ということを重点に置いて対応すると、上手くいく方法が見つかるはずです。
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