ADHDの仕事のできなさ・日常の不便さを対策する5つの段取り力
2017/04/09
「あー今日も残業になってしまった。しかも自分がしなければいけない仕事を、周りにさせてしまっている・・・」
社会人になってから2年ほど、こんな周りに迷惑をかけまくる日々が続いていました。
このときはすでに自分がADHDだと分かっていましたが、どうすればいいのか、対策が分かっていませんでした。
今回は、主に大人のADHD向けに、社会に出ても困らないように、どのようにADHDの対策をすればいいかをご紹介します。
参考にしたのは、主に司馬理英子さん著者の「「大人のADHD」のための段取り力 」です。
ADHDの大人向けの本はいろいろありますが、この本はより実践的に、とくに仕事で能力を上げるやり方が書かれています。
ADHDは、普通の人が普通にできることに、頑張りとスキルアップしなければいけないことが多々あります。
それをどうすればいいかが具体的に書いてあるので、僕のバイブル本となっています。
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得意なこと、不得意なことを把握する
まず、一口にADHDといっても、症状が軽度か重度か、環境、その人個人の性格によって、まったく違う症状になります。
忘れ物をしやすいとしても、母親が管理とADHDにあった教育をしてくれれば、忘れ物をどうやってなくすかを指導し、大人になってもさほど困ることはなくなっていたりします。
得意不得意もあり、時間にはルーズだけど、記憶力は抜群にいいので、仕事に支障がでるとき、出ないときの差が激しいなどがあります。
こうした、ADHDの個人差を確かめ、自分が何に何が足りていないのか、何が足りているのかを把握することから始まります。
得意不得意を把握すると、これから何をどのように対策していけばいいのかが具体的に見えてきます。
5つの段取り力
ADHDの日常での不便さ、仕事のできなさを解消するためには、「段取り力」が必要です。
段取り力は、5つの構成を理解すれば解決できます。
1.時間の管理
2・ものの管理
3・プランニング
4・記憶の補強
5・気持ちの持続力
時間の管理
ADHDが苦手なものの中でも、時間管理はもうどうしようもなく無理!と思っている人は多いようです。
僕も待ち合わせに遅刻しないように時間をしっかり守るのは今でも苦手ですが、しっかり時間を理解すればある程度までは対策することができるようになりました。
まず、ADHDは時間について、「約束の時間は12時」というように、その時間はしっかり覚えています。
しかし、その約束の時間に到達するまでにどのくらい時間がかかるのか、前もって何時に家を出ればいいのかが分かっていません。
例えば、家から駅までの徒歩の時間を考えていない。
電車が遅れるかもしれないロスされる時間を考えていない。
朝起きてから支度をするまでの時間を考えていないなど、約束の時間にたどり着くまでの時間をまったく計算に入れていないんです。
だから、いつでもまずい!と思っても、毎回遅刻してしまう結果になるんですね。
このことから、約束をしたときはノートに約束の時間をまず書き、そこから逆算をして何時に家を出れば十分かを導き出すことが有効な対策です。
その時間の調節もADHDは苦手なので、予定を書きだした後、プラス30分とすると、僕の場合約束の10分前位にたどり着けます。
ものの管理
ADHDは整理整頓が下手で、物を一定の場所に保管し、管理することができません。
片付けようと思っていても、すぐにほかのことに気がとられてしまうので、余計に部屋を散らかしてしまうことになるんです。
僕も学生の頃は汚部屋で、友達を呼ぶこともできませんでしたが、今では整理整頓術を身に着け、彼女を家に呼べるまでになっています。
ADHDの整理整頓法はただ一つ、「物を少なくする」ということです。
ミニマリストが流行っていますが、とにかく無駄な物はすべて捨てて、今必要なものだけを置きます。
こうすることで、少し部屋が散らかっても、それほどは散らかりませんし、すぐに片付けることができます。
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プランニング
プランニングとは、やる作業のことを考えて、あらかじめ計画を持って効率的に作業を進めよう。ということです。
僕はこれが不得意で、今でも克服できずにいます。
ADHDはその脳の働きから、「今目の前にあるものだけに集中する」という面倒な癖があります。
これを何とか強制するのは本当に大変で、少しずつ改善を図るしかありません。
僕の場合、あまり綿密なプランニングが必要のない仕事に就き、またADHDに理解のある上司にプランニングをしてもらうということで乗り切っています。
具体的には、上司に1日のスケジュールをまとめてもらって、営業に出かけて、1つ仕事が終わったら上司に電話して、次の指示を仰ぐというやり方です。
プランニングのやり方はいろいろありますが、まずは紙に計画を書き出し、自分でそれを少しずつでも実行していければOK。
一人でできない場合は、周りの人に助けてもらいながらできると効果的だと思います。
記憶の補強
ADHDは記憶力が抜群に良い場面と、とても悪い面の両面を併せ持ちます。
趣味の野球選手の名前はすべて覚えているのに、今日会議で話し合われた内容はまったく覚えていないなどがあります。
仕事に対してやる気を出すのはなかなか難しいので、やはり仕事では記憶力がないと考えていたほうがいいです。
そこで、記憶するスペースが小さいことを自覚し、それを補うために鬼のようにメモすることです!
僕はスマホアプリを使って、必要と思われるときは会話を録音するようにしています。
録音すると後から事細かに会話を思い出せるので、ゆっくりメモもできるし、記憶の反復になって、前より物覚えがよくなった気がします。
録音をしていて驚いたのが、「17日の15時からね」と言われたことを、「14日の17時からね」と、まったくでたらめな数字で覚えていることがよくあることが分かったことです。
長い会話の中ではそれがとくに顕著で、会話の中で飛び交う数字が、頭のなかでごちゃまぜになってしまうようです。
自分がいかに記憶力が悪いかを自覚して、それをどう補うかを考えましょう。
気持ちの持続力
5つの対策の中でも、僕がもっとも重視しているのが、「気持ちの持続力」です。
気持ちなんてあいまいな物、どうすればいいの?と思うかもしれませんが、どんなことでも気持ちなんだと思います。
上記にあげた4つをできる限り頑張ってこなしていくのも、「気持ち」です。
ADHDの不便さを理解しつつ、弱音を吐きながらもできることを広げていく、可能性を探ろうと努力するのも、すべては「気持ち」次第です。
ADHDは普通の人が軽くひょいっとやってしまうことを、努力して、工夫をこらさないとできないことが多々あります。
これを障害のせいだと言い訳して逃げてしまうか、障害を克服しようと努力していくかが、決定的な個人の差だと思います。
今はできないことが多くても、1週間後、1か月後、1年後と、先の将来を見通して、努力し続け、対策していくことが、ADHDを克服していくことになると思っています。
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