芸術の才能に溢れたADHDのウマ下手な絵の4つの特徴
2017/04/09
ADHDの障害が才能を開花させるワケ
多くの人が知っている世界的有名人と言えば、発明家のトーマス・エジソンがいますが、数々のアイデアを持つ偉人も、決して幼少期は優秀じゃないケースが多いです。
特に、感性と持ち前の感覚で、物事や風景、人物の内面を描く画家は、ADHDだったり、その傾向が非常に強い発達障害だった人が多いです。
もちろん、ADHDは幼少から成長して行く過程で、その要素が補正されて、ごく普通の人になる場合もありますが、
運よく才能というか、自分を身近な人が褒めたり、好意的に捉えて評価されてしまうと、大きく絵の才能が花開くことがあります。
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特徴1.不思議な絵を描く画家
たとえば、古いルネサンス期の画家で、ヒエロニムス・ボスという画家がいますが、
極端な人間嫌いで人に会うのを嫌い、また上手く会話も出来なかったと伝えられ、一説では発達障害であったと言われることもあります。
絵の特徴は、旧約聖書に基づく人間の傲慢や、自惚れを良く描くのですが、執拗に細かい描写で頭に描いた想像力で絵を描くのが特徴です。
晩年では、風景画も実際に見たものではなく、物周りの雑貨や窓の外の風景など、非常に内向きな現実を参考にしています。
そのため、熱烈なファンである一部の貴族が彼を評価しましたが、宗教絵画とはかけ離れた、まるでSFのような雰囲気があります。
描写も上手ですが、リアリティとは違った異質な印象が特徴です。
もちろんこの頃はADHDという障害自体、医学の世界には皆無でした。
特徴2.ポップアートに影響を与えた”酷い”画家
一方、現代の画家としてはADHDっぽい画家の一人に、イギリスの女王から「あんなひどい絵を描く男」とまで酷評され、
今では多くのPOPアートにまで強い影響をあたえた、フランシス・ベーコンという画家がいます。
およそリアリティとはかけ離れ、肖像画は大きくデフォルメされて歪み、背景はペンキのように平らに塗ってしまいます。
題材の多くは、部屋にあった写真、それもスポーツの運動を記録した学術的な写真を参考にし、
有名人などもミックジャガーや、多くの人を描いていますが、それらは全部、本人をスケッチしたものではなく、雑誌や写真集、あるいはビデオを見て描いています。
この人も人間嫌いで、全く自分の作品には興味が無く、描いた作品は注文者が保管しなければ、捨ててしまうか、絵の上からまた新しく描いてしまったり、燃やしたりしています。
表現も巧みというよりも、人の「歯」とか肉塊とか、絵の題材にしては妙な物ばかりに固執しているのが特徴です。
絵もまとまりがあるようで、よく見ると組み合わせがバラバラ、しかし一つのテーマは確実にこだわってる印象がある強烈な個性の持ち主です。
日々の生活も、全く部屋の整理など出来ず、ADHDの特徴をよくアトリエの写真では垣間見ることができる画家です。
特徴3.お人よしでも無かった逃走する画家
ADHDはかつては、知的障害としてまとめてられていた時代がありましたが、多動性障害と自閉症が合併したような画家としては、日本では山下清が有名です。
映画やドラマになりましたが、実際の山下清は、よく嘘を付く人で、話も脈絡が無く、
何もしない時は本当にただ窓の景色をいつまでも眺めるなど、ADHDの特徴が垣間見える変わった画家です。
彼は「ちぎり絵」と言われた、包装紙や新聞、広告や色紙を多用し、何も見ずに放浪した景色で覚えているものを台紙の端から千切った紙を貼る手法を使います。
その作業は驚くほど速く、一説ではサヴァン症候群では無いかと言われました。
当時はそういったADHDを含めた研究も未発達で、行動や放浪癖を見ると、保護施設で全く集中力が無く、単純な作業も教えるのが至難の業とも言われていました。
その為回顧展では、放浪癖があるのではなく、実際は施設にいると何をしても出来ないために、叱られるのが嫌で施設員がいない隙に逃げ出していたのが真相のようです。
感情も不安定で、よほど落ち着いている場合にしか、作品は作ってはいませんでした。
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特徴4.コンプレックスは結局才能の原点かも?
画家の生涯の場合、時代が古い日本でもファンが多いゴッホなどは、実際は精神病ではなく、
過剰なストレスと貧困で、それが元で度々不満から暴れたり、人に罵声を浴びせたりして、家族が苦労していたのが真実のようです。
当時の精神医学は、精神病は「狂人」扱いのため、殆どが無謀な身体的苦痛を与えるものが多かったのは事実です。
また、貧困のために仮病、つまりは生活に困り「詐病」という精神病のふりをして物乞いもどきのことまでしていた無名の画家までもがいます。
実は印象派の画家は、今で言うところの「ウマ下手」で、ポール・セザンヌなどは、若い頃に素人から絵の修業に田舎から上京し、
ことごとく絵の評論から「基礎が出来ていない。」などと酷評され、デッサンも、現代の芸術大学なら話にならないほどお粗末でした。
それでも、必死に独自の「ウマ下手」を続け、時代が過ぎ去り死後数十年経ってから、「面白い斬新な絵画」で注目を浴びたのです。
ADHDや発達障害の兆候があると見られる画家の特徴には、まず共通するのが集中力は居所的で、日常的なあたり前に出来るはずの、人との会話や交流に難がある人が多いですね。
直接会っても、支離滅裂だったり、生活は不規則でだらしないなど、すべてが無意識に整理整頓が不可能、やりかけで放置など行動にも突発性がよく見られます。
非常に飽きっぽいのも特徴です。しかしながらそういった素養ながらも、レオナルド・ダ・ヴィンチのような、驚くほどの天才ぶりを発揮するタイプも多いのです。面白いものですね。
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