こんな会話は苦手!ADHDがつまずくコミュニケーションの特徴
2017/04/09
ADHDの会話術は常に1個に1件
ADHDが、「場の空気を読めない」あるいは「その場の空気を凍らせる」などの言動が多くあります。
具体的には集団のコミュニケーションの中で、会話がどのように進んでいるのかではなく、自分が理解出来るキーワードや、内容に非常に過敏に反応してしまうことです。
この障害は特に興味や関心がコミュニケーションの中にあると、そちらに引っ張られるという特徴があります。
具体的には、友達同士のコミュニケーションでどこかのイベントに参加する話題があった時、
話の流れはお互いの都合を言い合い、都合がつかず例えば仲間の一人が、「その日は家で親戚が集まってホームパーティーがあるから。」と言った場合があったとします。
会話の内容は「みんなで出かける」というテーマなんですが、ADHDだと会話の最後にある「親戚が集まってホームパーティー」に反応して、
それまでのコミュニケーションの内容よりも、「私もホームパーティが好き!」というように、そこだけに引っ張られるんですね。
これは会話の中の複数の意見を上手に記憶で連携させて、コミュニケーションの繋がりをもった記憶を維持できない、そういった障害の現れです。
ADHDの人は、会話の流れがどのように向かっているか、少し前の記憶を再度思い出すことが難しい障害なのです。
簡単に説明すれば、1つの話題に1つの反応といった1件に一つの対処が限界ともいえます。
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空気が読めない?それは違います
ADHDは障害であることは、多くは医師から指摘されるまで気がつかないことが多いです。
そのため、「自分はまるで何をやってもダメ。」とか、常に自分が悪い思いをさせてる自覚が強いです。
ところが興味深いことに、あるビジネスシーンでは、このADHDの障害があっても、それほど影響がない場合があります。
それは欧米のちょっと日本人とは異質のコミュニケーションの感覚です。
例えば、誰かが仲間同士で「明日、遊園地に出かけようよ。」となった時に、もう一人が「明日は、私も家族と遊園地にいくし。」
となると、この「遊園地に行く」ということは共通していますが、欧米ではキチンと「明日は私は一緒に行けません。
家族と別の遊園地に私は行くことになるため無理です」という、ちょっと回りくどい言い方をします。
前者では「行くし….」の後に続く言葉を、他の人は頭で補完して「行かれない」と理解しますが、この脳で補いながらコミュニケーションをとる事がADHDでは無理なのです。
ですから、ADHDの人がいる仲間同士のコミュニケーションは、短く端的に答えと結論を先に言います。
例えば「明日遊園地に出かけようよ。」となるなら、「私は無理。」、「私は大丈夫。」となれば、会話には「出かけられるかどうか?」
だけが内容だと発達障害のあるADHDの方でも理解できます。
「何がどうなって、結果としてこうなった。」と複合的に、一連のストーリーを話すではなく、
「何があったか?」、「何の話題か?」と話を区切って、ADHDの人が理解出来たら次に進むコミュケーションを取るようにします。
言ってみれば、小説ではなく、短歌や俳句のように、手短に話題を圧縮するのが、ADHDの方の障害を乗り越えるコミュニケーションの方法です。
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否定ではなく修正をしていく
ADHDとのコミュニケーションで絶対にダメなのは、「否定」です。
ADHDの人が話題についていけてない、あるいは話題が変化してその前の話に夢中になってる場合に、
周囲の人は黙ったり、無視したり、否定するのはADHDの人を除け者にするでしょう。
そうではなく、周囲の人がADHDの方とコミュニケーションをとる時は、面倒でもその都度「補正」と「修正」をしていくことです。
例えば話題が職場の「仕事」についてなら、ADHDの人が会話から逸れてきたら、そこでもう一度「仕事」についての話に戻します。
例を以下に示しましょう。
A:「昨日の仕事は大変だったけど、上手くいったね。」
B:「そうなんだけど、上司のあの言い方も無いよ、だってそのせいだったし。」
ADHDの方:「上司の人って性格悪いよね。」
A:「上司はそれが仕事だし、仕方ないんじゃないかな。」
ADHDの方:「でもあの人は性格悪いよ、こないだだって私が言われた時は……」
B:「別に上司の人は性格は悪くないよ。君は酷い事いうね。」
A:「昨日の仕事は特別難しかったからね。そうじゃなかった?(ADHD)さん。」
この例ではADHDの人は、思いついた感情に動かされているのがわかります。
すかさずBさんはそれを否定しているのに対し、Aさんは、再び仕事の話に戻していますよね。
これは会話の中に、「仕事」の他に「上司」が入るために、ADHDの人にとって印象の悪かった「上司」に話題がそれる点を、
Aさんはスルーして元の話題に戻しているのです。
つまり、会話のサポートですね。
これがADHDなどの発達障害の方との、コミュニケーションのコツです。
ADHDの人にとって他人の記憶にある、この場合の「上司をどう思うか?」という事は、
話題の中で頭で一緒に考えることは出来ないという事を、ADHDの発達障害のあるコミュニケーションで覚えておくと良いでしょう。
理解者を増やしていく
ADHDの人とコミュニケーションをとっていると、如何にも「悪気があって言っている」といった発言、本音をズバズバ言っている感じはよくあるものです。
「思いついても、言わなければいいじゃないか?」
と思われるかもしれませんが、まず多くのコミュニケーションにはあるはずの、「相手の考えることを想像しておく」
という記憶の前提をADHDの人は、頭の記憶から呼び出せないのです。
学習障害でもADHDの人が苦しむのは、少し前の「記憶」が思い出せない点にあります。
しかしそれは覚えてないのではなく、コミュニケーションの中で、新しく次々記憶することが出来ると、思い出しにくくなるという独特の障害なんですね。
まず、こうした「特性」をADHDの人は持っていると、周囲の人は理解し、その理解者を増やす必要があります。
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